2010年03月12日

進むボーダーレス化 「開放」か「鎖国」か正念場(産経新聞)

【2030年】第5部 日本はありますか(1)

 38の瞳は真っすぐに「世界」を見つめていた。東京都江戸川区の静かな住宅街にあるインド人学校「グローバル・インディアン・インターナショナル・スクール」日本校。小学4年の男女19人が数学の授業で、ホワイトボードに書かれた計算問題に取り組んでいた。

 《73221×322》

 《868987÷3428》

 女性教師が「インド式計算ドリル」で知られる算術の奥義を交え、丁寧に説明していく。授業はすべて英語。子供たちは先生に「マアム、イージー!(先生、簡単だよ!)」と声を上げながらノートに向かう。

 同校はシンガポールに本部を置く「グローバル・インディアン財団」が運営する。アジアを中心に8カ国にあり、日本では平成18年、わが国で2校目のインド人学校として開校した。幼稚園から高校まで230人が在籍し、多くは江戸川、江東両区に集住するIT(情報技術)企業のシステムエンジニアらの子弟である。

 小1の長男、アドウェ君(6)を通わせるパルタ・ボッマタパリさん(38)は港区にあるインドのIT企業の日本法人に勤める。滞日5年。浅黒い顔に濃いひげをたくわえ、よどみない日本語で話す。

 「一人息子には母国と同じ教育を受けさせたい。インドは人口が多く競争も激しいのです。息子の20年後ですか? 世界の役に立つ人間に育てたい。世界で活躍するグローバル・インディアンになってほしい」

 同校の450メートル東には区立小学校があり、学力低下を招いた「ゆとり教育」から脱却するための模索が続いている。

 ≪人材は海外から≫

 2030年、つまり20年後の近未来をさまざまな立場の方に問いかける本連載。最終部となる今回のシリーズではヒト・モノ・カネが国境を越えて行き交うボーダーレス化社会の行方を考えたい。とりわけ、生身の人間であるわれわれの近未来は、ボーダーレス化が進むとどうなるのか。

 わが国に暮らす外国人は平成20年末時点で、在日韓国・朝鮮人らの特別永住者42万人を含め221万人。国籍は190カ国に及び、全世界の人が住んでいる。

 インド人も過去10年で倍増し2万2千人を超えた。背景にはIT分野の人材不足がある。インド人が日本へ来る一方、大手電機メーカーは中国やインドへソフト開発などを委託している。積極的な企業の一つ、NECは全世界で約6千人に委託しており、うち8割が中国人だ。同社は「2年後には1万人に増やしたい」という。

 かつてモノ作りの工場だけだった海外移転が人材面にまで及んでいる。さらに富裕層や高収益企業は、税率が低い国や地域へ仕事場や本社機能を移していく。あらゆる面で空洞化が進むと20年後、日本には何が残っているのか。

 ≪ルール変わった≫

 日産自動車は仏ルノー傘下となった平成11年から、社内の公用語が事実上、英語となった。役員や経営会議メンバーの半数は外国人。昇格も英語が必須で、得意でない社員は翻訳ソフトが手放せないという。

 社員の意識改革を担う「ダイバーシティディベロップメントオフィス(多様性開発室)」の高橋美由紀室長(48)はカルロス・ゴーン社長(55)の通訳などを経て現職。愛車はスカイラインという高橋さんは「企業がボーダーレス化すれば社員も変化を迫られる。日本人が変われるかどうかが問われている」と強調し、こう続けた。

 「いつの間にかゲームのルールが変わってしまった。でも、合わせなければ生き残れない。戸惑いはあっても少しずつ頑張るしかない。20年後、自動車業界は世界で何社が残っているか。その時にぜひ勝ち抜いていたい。でもそれは、この業界や弊社だけの課題ではないと思います」

 手渡されたパワーポイント資料に日本語と英語でこう書かれていた。

 《最も変化に適応できる種が生き残るのだ。(チャールズ・ダーウィン)》

 20年後、日本という国はどのように変わっているのだろうか。そもそもあるのだろうか。

 ■外国人労働者 「開放」か「鎖国」か正念場

 東京・西麻布の高級マンションに一家4人で暮らす主婦、小森唯さん(33)=仮名=は5年前から週1回、フィリピン人家政婦(37)を自宅へ迎え入れる。掃除や洗濯、キッチンの洗い物をてきぱきとこなす異国の女性と同じ部屋の中で、1歳2カ月になる次女の世話をする。

 「私(わたくし)はフィリピンに行ったことがないのですが、フィリピン人はお掃除がとても上手で家族を大事にすると聞き、お願いしました。実際、お仕事がきっちりしている。ホテルのようにシーツがピシッとなって、日本人家政婦の方とは仕上がりが違う」

 派遣元の家事代行会社「シェヴ」(東京都)によると、1回4時間で1万1500円。顧客約600人の6割は港、渋谷両区の日本人富裕層と外資系企業の外国人駐在員らで、年収1500万円から2千万円以上が大半という。

 同社は日本人とフィリピン人の家政婦が約100人ずついるが、外資系銀行出身の柳基善社長(51)は「日本人は年配の方が多くお客さまがどうしても気を使うが、フィリピーナだと頼みやすい面もあるようだ。それに、一般に日本人の採用は難しい。家事使用人や清掃業務だから皆さんあまりやりたがらない」。

 2年前から同社の家政婦として働くネニータ・サラガさん(45)はセブ島に近いサマール島の出身。21歳だった1986(昭和61)年に「歌手」として興行資格で来日した。群馬県館林市のクラブで働いた後、清掃会社員の日本人男性(59)と結婚して2女をもうけ、就労に制限のない永住者資格を得た。

 ネニータさんに20年後の日本と自身の姿を尋ねると、明るい表情でこう答えた。

 「日本は人口が減って高齢化で大変だろうけど、私たちが助けてあげる。だって私のセカンドホーム(第2の故郷)だから。私も頑張って働いて、20年後はお金持ちになって『ネニータ様』と呼ばれていたい。やっぱり楽をしたい。そういう気持ちで頑張っている」

 ≪アジア人が介護≫

 わが国は、外国人労働者を専門的・技術的分野に限り、単純労働を認めない国是を堅持している。しかし、現実にはさまざまな形で外国人が働いている。

 厚生労働省の外国人雇用状況調査によれば、昨年10月末時点で56万2818人の外国人労働者が全国の事業所9万5294カ所で雇用されている。中国人が24万9千人で全体の44%を占め、日系ブラジル人10万4千人、フィリピン人4万8千人が続く。

 2年前からは、看護と介護というこれまで認められなかった分野でも受け入れが始まった。経済連携協定(EPA)という政府間協定によるもので現在、インドネシア人とフィリピン人の看護師、介護福祉士の候補840人が全国の病院や福祉施設で働いている。

 横浜市青葉区の特別養護老人ホーム「緑の郷」。午後7時、インドネシア人の介護福祉士候補、ティアス・パルピさん(28)が夕食の介助を続けていた。

 上手な日本語で「ゴマはきらいですか。もうちょっと食べないと」。

 スプーンを持つ手が止まっているお年寄りを見つけると、ほおをふくらませながら表情豊かに声をかけ、スプーンに手を添えた。

 来日して1年半。ジャワ島の出身で父は自動車修理工だった。母国の看護師資格を持つティアスさんは「最初に来た私たちがどこまで役に立つかで、今後の流れが決まる。プレッシャーを感じますが、少しでも日本人の介護に役立ちたい」。

 入所者の一人、外川勇さん(86)は感慨を込めて言った。

 「まさか東南アジアの人に介護されるようになるとは思いませんでした。正直よくやってくれている。日本人も素晴らしいが、もう区別はないね」

 ≪「移民」求める声≫

 いずれは母国へ帰ることが建前の外国人労働者ではなく、わが国へ永住する「移民」の受け入れを求める声も上がり始めた。

 平成20年、自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(中川秀直会長)と日本経団連(御手洗冨士夫会長)が相次ぎ移民受け入れを提言した。自民議連の政策は今後50年間で1千万人の移民を受け入れるという「移民1千万人構想」。いずれも人口減少時代に経済成長力を確保するためとして、50年後に9千万人にまで減ると予測される総人口の減少分を移民で補う発想だ。

 同じ経済界にありながら「移民不要論」という本を書いた人もいる。電機機械メーカー「シンフォニアテクノロジー(旧神鋼電機)」相談役の佐伯弘文さん(70)。同社が中国人研修生らを年間150人ほど受け入れている経験から、「彼らはまじめによく働くが、地域住民から工場にさまざまな苦情が持ち込まれ弱っているのも現実だ。企業は安い賃金で人件費を圧縮できるが、そのつけは社会や国家に回されている」とし、こう話す。

 「最も憂慮すべきは、多数の移民受け入れで日本の伝統文化が消えてしまうかもしれないことだ。治安悪化の懸念もある。排外主義といわれるかもしれないが、失ってから気づいても取り返しがつかない」

 外国人労働者の受け入れか。移民への門戸開放か。あるいは「労働鎖国」を続けるか。議論を避けるうちに、外国人の増加という現実だけが進む。だが20年後はそれほど先のことではない。

【関連記事】
福島・東栄衣料「低賃金労働」 後絶たぬ外国人研修生の悲劇
雇用継続求め、日系ブラジル人らが提訴 横浜地裁
そこは近未来の農村 長野・川上村の中国人研修生たち
【正論】加藤秀俊 外国人に「働いてもらう」不思議
遅すぎた少子化対策 残された時間少ない
黒船か? 電子書籍の衝撃 揺れる出版界

金賢姫元工作員来日へ協議、公安委員長は配慮要請(読売新聞)
首相動静(3月8日)(時事通信)
広島大、入試「生物」数値にミス=同じ問題、誤表記発覚後も気付かず(時事通信)
木村伊兵衛写真賞に高木こずえさん(時事通信)
ゆるキャラ「あわじい」は3100歳 兵庫・淡路島(産経新聞)
posted by カミヤマ ヨシヒロ at 22:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月11日

<4歳衰弱死>保護責任者遺棄容疑で両親逮捕 埼玉(毎日新聞)

 埼玉県警蕨署は4日、次男(当時4歳)が歩けないほど衰弱しているのに放置したとして、同県蕨市中央6の無職、新藤正美容疑者(47)と妻の早苗容疑者(37)を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は、07年11月ごろから08年2月11日ごろまでの間、次男の力人君を入浴させなかったり必要な栄養を与えず、やせ細って歩けないほど衰弱していたのに、医師の治療を受けさせず、放置したとしている。

 08年2月11日、正美容疑者が「子供がぐったりしている」と119番通報し、力人君は搬送先の病院で死亡が確認された。死因は急性脳症で、体重は約10キロ、身長94センチだった。顔や両足には打撲の跡があった。両容疑者は「(力人君の)面倒をみていたし、食事も与えていた」と供述しているという。同署によると、力人君は保育園に籍があったが、通園したことは一度もなかったという。容疑者夫婦には他に長男(10)がいる。

【関連ニュース】
5歳児餓死:「夫婦不仲、子に矛先」逮捕の母供述
虐待:食事与えず5歳児餓死、体重6キロ、父母逮捕 奈良
麻薬譲渡:「押尾被告は罪を償って」友人が起訴内容認める
押尾学被告:女性死亡で無罪主張の方針 弁護人が会見
押尾学容疑者:保護責任者遺棄致死罪で起訴 裁判員裁判に

体験エステ悪用、タオル姿の女性にしつこく勧誘(読売新聞)
職員への給与支払い命じる=阿久根市の懲戒免職問題−鹿児島地裁(時事通信)
<路面電車>復活を 北九州市議会で勉強会(毎日新聞)
生き埋め 工事中1人死亡 岐阜・各務原 (毎日新聞)
最大波、発表値の1.5倍 チリ大地震津波(河北新報)
posted by カミヤマ ヨシヒロ at 18:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

「成育医療」の医師数、一般病院の1.9倍必要―日医総研(医療介護CBニュース)

 日本医師会総合政策研究機構はこのほど、胎児期から成人時代までの健康を包括的に取り扱う「成育医療」を担う小児総合医療施設では、一般病院の約1.9倍の医師数が必要で、「現在の医療の水準を保持するためには、国や自治体の財政支援が不可欠である」とするワーキングペーパー(WP)を公表した。

 WPでは、小児用に設計された病室やMRI、CTなどの検査設備、講堂や教室などの教育用スペースなどを備えている小児総合医療施設のうち、児童福祉施設の病床が全体の30%未満で、小児病床率が70%を超えているか、小児病床が250床以上の独立した病院(1型病院)18施設の経常損益などを分析し、1型病院以外の自治体病院などと比較した。
 18施設の2006年度の経常損益を平均すると18.5億円の損失で、赤字だったのは16施設。医業収益に対する給与費、材料費、経費、減価償却費の割合は、給与費が71.5%で最も高く、次いで材料費27.3%、経費22.0%、減価償却費11.3%と続いた。一方、自治体病院では給与費56.0%、材料費27.4%、経費22.8%、減価償却費8.1%の順で、1型病院と比べると給与費に15.5ポイントの差があった。WPでは「成育医療の不採算を語る上で、給与費の影響が最も高い」と分析している。
 一方、厚生労働省の06年度医療施設(動態)調査・病院報告によると、一般病院7870施設の100床当たりの平均常勤医師数は12.6人、平均常勤看護師数は50.9人。これに対し、1型病院の100床当たりの平均常勤医師数は約1.9倍に当たる24.0人、平均常勤看護師数は約2.2倍に当たる114.1人だった。
 さらにWPでは、1型病院1か月当たりの看護師の平均夜勤回数や医師の宿・当直回数が、労働基準法や人事院勧告で定める基準を超えていることから、人員が過剰に配置されているわけではないと指摘。その上で、低出生体重児が増加し、患者数が増えていくことが予想されていることから、「医療の質の向上・安全面を考えると医師・看護師数を減らすことは難しい」としている。


【関連記事】
人口当たり医師数に16.4倍の地域差―日医総研
欧米並みの在院日数、「健康長寿そこなう」―日医総研
米医療産業が日本の医療政策に影響―日医総研
「子どもの心の診療拠点病院」事業評価で調査実施へ
周産期・新生児医学会も反対声明―事業仕分け、救急・周産期の補助金削減に

介護事業、増収傾向続く―大手4−12月期決算(医療介護CBニュース)
捜査情報漏らし金品受領の疑い=奈良県警、警部補ら捜査−退職願提出、近く処分(時事通信)
<福原義春>資生堂名誉会長の写真展「私と蘭138」 6日から銀座・和光並木ホール(毎日新聞)
東電との取引装い融資金詐取、社長を再逮捕(読売新聞)
<学力テスト>7割で実施へ 全国小中学校(毎日新聞)
posted by カミヤマ ヨシヒロ at 08:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。